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あい農学校の日録-1-
2004.7.13〜2004.7.30

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あい農学校です



石川県金沢市二俣の田んぼ 2008.5.27

July 13, 2004
あい農学校です。

はじめまして!こんにちわ!



私たちの関心ごとである食べ物のことを中心に
生産することや消費することについての情報サイトです。

ここでの主なテーマは、
自然に負担をかけない生産のはなし
安心して食べられる消費のはなし
循環型の農業のはなし
その他食べることに関する諸々・・・

よろしくお願いいたします。


July 14, 2004
京都農塾の話-1-



京都・園部に京都農塾があります。
今日の話題はこの京都農塾のおはなしです。

最近、食べ物の安全・安心については大きな関心ごとになっていますよね。
今年の春先には鳥インフルエンザの発生で、鶏卵への関心が高まりましたしね。
地産地消ということで、日曜朝市とかが方々で開かれていますよね。
食べるものについて、こういった大きな変化がおこってきています。

その中でも「自給自足」ということが大きな話題になってきています。
めざせ!自給自足生活を!!
なんていうようなお題目がそのうち出てきますね(笑)

そんな世の中の背景のなかで、
京都農塾は、昨年から始められました。
これ、「農学校」といえばいいでしょうか。

消費者向無農薬野菜栽培教室「京都農塾」
こう名づけていますように、無農薬野菜栽培の実践教室です。
田んぼとはたけで、お米と野菜を作っています。

それだけではありませんよ。
収穫した野菜で漬物を漬けたり、野菜ジャムを作ったり、味噌や豆腐を作ったり・・・
興味ある人がいっぱいいるんじゃないですかね。。。
わたしもその一人だったんです。
今年の塾生に応募して、田んぼに入ったりはたけの草取りしたりしています~o~:

あい農学校のサイトでは、この「京都農塾」の話題を発信していきたいと思っています。
京都ナチュラル・ファームが主宰してますので、詳しくはHPをみてください。

では、また明日・・・・お会いできるのを楽しみにしています。

 記事記載:nakagawa shigeo


July 15, 2004
京都農塾の話-2-



京都農塾では、野菜やお米を自分で作ってみるという体験をします。
農薬や化学肥料を使わない有機無農薬野菜や米を作る体験をします。

作物は、
きゅうり、トマト、プチ・トマト、ナス、加茂ナス、ピーマン、万願寺とうがらし、
スイカ、枝豆、オクラ、里芋、トウモロコシ、カボチャ、サツマイモ・・・

作物つくりは塾生の共同作業でおこないます
種まきや苗植えをおこないます。
支柱たて、杭打ち誘引、わき芽かき・・・回りに生える草の刈り込み・・・
そして収穫です。

収穫した野菜は、みんなで料理して、みんなで食べる^o^:
共同での自給自足です、この生活体験をしていくんです。

家族で参加される人たちがいます。
夫婦子供が一緒になって土にまみれて収穫の喜びを味わうのですね。
ここに新しい生活スタイルを実践する家族があることに感動しますね〜。

京都農塾は京都ナチュラル・ファームが主宰しています。
この京都ナチュラル・ファームの紹介は追々していきますが、
ここでは、循環型の農場を目指していて、山羊牧場を設けています。

追って、新しい時代を創っていくグループ活動として、紹介していきたいと思っています。

nakagawa shigeo


July 16, 2004
京都農塾の話-3-

京都農塾では、お米作りを実習しています。
銘柄はコシヒカリ、除草剤を使わず、無農薬栽培です。



写真は田んぼの草取りの光景です。

除草剤を入れてない田んぼだから、草がいっしょに成長するんです。
ですから人力で草取りをしなくてはいけないんですね。

でも、このことってつい最近まで普通にやっていた作業ですよね。
特別なことではないんですよね。
でも私たちって、いまこんなして田んぼに入って草取りをするって、
なんか特別なことをしているようにも感じませんか?

わたしの田舎で妹夫婦が兼業農家を営んでいます。
機械化が進められて、その時期になると耕運機なんかを使います。
機械に支払うお金と肥料代が大変だ〜っていってました。

無農薬でやってるの?って訊くと、
まわりに迷惑かけるからそうではないといいました。
農薬やらないと虫が来たときまわりに迷惑がられるから・・・
とういうのがやりたいけどやらないことの理由です。

農業って地域共同体ですから、しかたが無いのかな〜って思ってました。
わたしのそういう知識の中での、京都農塾での体験実習です。
人力を最大限使って、自分たちの食べるものを自分たちで作る。
このことがやっぱり基本やな〜、と思っています。

普通の作業を普通にやっていく、
有機無農薬栽培が特殊なんではなくて、普通のこととしていく。

ここまで食についての不信感を植え付けられたら、
もう自分で納得いくようにしていかないとあかんな〜
そんな思いで京都農塾に塾生として参加しています。


July 17, 2004
京都農塾の話-4-

消費者向無農薬野菜栽培教室「京都農塾」で栽培した野菜の収穫。
お茄子が収穫時期を迎えています。



有機栽培というのは化学肥料を使いませんから、
気持のうえで安心感があります。
農作物というのは自然の恵みの中で育ませるものですね。

化学肥料というとなんだか工業のイメージです。
地球環境のところから見ても、化学肥料は使いたくないな〜。
そんな感じがある種の恐怖感から救済してくれますね。

わたしとしては、自給自足がどこまでできるのかな〜?
このように思っていて、その実践として捉えているんです。
だって、化学肥料っていうのは個人で作れないですからね。

ということは自給自足をめざすのに、
化学肥料っていうのはお金を出して買わなければいけませんでしょ?
作ったものを市場にだしてお金に換えることを考えたら、化学肥料。

こうして化学肥料を使うということは、
貨幣経済機構にはまってしまいますから、
自給自足を考えるときには第一に排除しなければいけないんですね。

農薬の問題も同様に考えることができます。
自然の成分と植え付けの工夫で虫が寄り付きにくくする方法があります。
自然循環、環境バランスということも研究されていますから、
そういう成果を使わせてもらって、野菜作りのノウハウを知っていきたいと思っています。


July 18, 2004
京都農塾の話-5-

マンションのベランダ菜園だけでは満足できなくて、
農業に興味をお持ちの人がけっこう多くなっているように思います。
とくに今のご時世、意識が農村化の方へ向いてきています。
それと安全・安心な食品を求めていく方へ消費が向いてきています。



このような生活者の傾向が、京都農塾の開校を促してきた要因だと思います。
野菜やお米作りの共同実践場所としての「京都農塾」です。

月額千円の経費というのは苗や資材の購入費用に当てますから、
受講料は無料といってもいいですね。

主宰者の設立趣旨は、学校産業に組み込まれた学校ではないんですね。
学校経営としたらこれはボランティア、
あるいは意思を共有するムーブメントですね。

入塾案内にこのような文があります。

安心な野菜作りに興味在る方、自給自足生活に興味ある方、
手作り生活に興味のある方、農業に興味在る方、
「京都農塾」にぜひ一度参加してみてください。

そうなんですね、
高度成長の時代が終わり核家族が崩壊していく時代です。
新しい生活スタイルを求めてアーバン化からルーラル化へ、
意識が変わってきているんですね。

そういう新しい時代に先がけて開塾されたことに意義をみだします。


July 19, 2004
自給自足への道!



はたけのトマトは収穫期です。有機肥料で育ったトマトです。
収穫する喜びの気持って本能の部類に属する感情なんでしょうか。
自然のなかで自然のエネルギーで食物は育っていきます。

とはいっても、はたけには肥料を入れてあげなくてはいけませんし、
まわりの草取りや支柱をたてて誘引してあげることなどの世話がいります。

自給自足をめざす!という思い方は商品経済を排除する方向です。
自給自足をめざす!ことは身体と心が一体のものとして捉える方向です。

この自給自足系を実際に目指していこうとすると、
現在の農業がビジネスシーンに組み込まれたシステムであることがわかってきます。
自給自足系を成り立たせていこうとすると、
このビジネスシーンの全体から、どのようにして脱却させていくか〜
という創意工夫が必要になってきます。

野菜の種の多くは、大手の種苗会社が外国で採取して農業者に提供してます。
化学肥料や農薬は工場で作られています。
これに国や農協といったシステムがあります。

自給自足への道というのは、原則的に、この農業システムの中ではなくて、
別の食料生産の系を創造していかなければならないようです。

あい農学校では、実践の基本的捉え方として、
食料生産についての別の系を創っていかないといけないな〜
このように思っています。


July 20, 2004
自給自足への道!その2



自給自足っていうことばが方々で語られていますね。
わが国の穀物自給率が年々低下してきて2001年度が27%だとか。
この自給率を上げようということを目標に掲げたNPOがあります。

京都自給ネットワークというNPOです。
先日の夏祭りを主催した団体です。
取り組みとして生産者と消費者を結ぶ場を設定したのが夏祭り!

自給自足というのは生産と消費が一体となった共同体ですね。
この共同体つくりを指向することが基本にあるように思います。
地域共同体の再構築とでもいえばいいでしょうか。

自給自足を目指すことのメリットっていったいどんなことなんでしょう?
そこには食料流通のグローバリゼーションに対するローカリゼーションの方へ。
グローバル化という大きな世界潮流のなかで失われていくものがあって、
その失われていくものを失わないでおこう〜という発想ですね。

わたしは、この失われるもののひとつに「人のこころの共有」があると思っています。
こころが失われていくととは、どういう状態をいうのかですね。
この状態を明らかにしていかないといけないですよね。

わたしたちは、商品経済に巻き込まれているんですが、
この商品となるモノと自分との関係を問うのです。
遠くのものより近くのもののほうが親しむ・・・
誰が作ったのか判らないより、誰が作ったかが判るほうが親しみを感じる。
こういうこころのなかの遠近法です。

この捉え方というのは、一種のエゴイズムを生み出していくかも知れませんね。
自給自足への道筋に自給自足共同体のエゴイズムが派生するとしたら、
これをどのように解消していく方法があるのか、といった議論が必要ではないですかね。

写真は自作のトマトの収穫したものです。


July 23, 2004
自給自足への道!その3



自給自足っていうことばが巷に流通しています。
アーバン化の時代が終わってルーラル化の時代が到来してきているかのようです。

書店へいけば、ガーデニングの本、自家菜園の本、伝統食品作りの本、というように。
生活の価値軸の中心となっていた都市生活が、田舎生活の方へ移行しはじめている。
そのようにも感じる最近の世間風評です。

わたしがここで、自給自足への道!なんていうタイトルで雑文を書いていて、
たぶん流行にのっかってるのに、あたかも自分の考えのように記してると、
みなさんがおっしゃるだろうな〜って思っているんです。

でもね、ここで言ってる自給自足というのは、流行との二人三脚でいいんです。
わたし自身もこの世間に生活を営んでいる一個の人間だからです。
こういう立場のところからの発言ですから、流れに乗っちゃえ〜ってとこです。

こういった風潮のなかで、
自分が生産する立場の自給自足生活に向かっていると思っていたら、
結局は自給自足という美名の消費者でしかなかった!
なんていう結果にならないようにしていかないといけませんね。

お金をだせば、自給自足キットが購入できる、なんてことにならないように(笑)・・・
いかにお金を使わずに生活をつくっていけるか、
ということにポイントを絞らないといけないでしょうね〜。

ここで、自給自足というとき、わたしは一人で出来るとは考えていません。
よく聞く話で、山の仙人さんのような生活を想定しておられますが、
自給自足とは、山にこもって世間と関係を絶って生活する、ということではありません。

また、かってあった地域共同体の再現ということだけでもないと思います。
評論的言葉として言っていけば、大きな支配的な潮流として、
グローバリゼーションの方向からの逸脱ですね。
国家・国民という関係のなかでの抵抗とでもいえばいいのでしょうかね。

そこからの自給自足・経済をどのように作るのかということですね・・・。


July 25, 2004
京都農塾たより04.7.24

京都農塾ではいよいよ野菜収穫の時期になりました。



5月に植え付けた野菜類の第一次の収穫日となった7月24日。
インゲン、茄子、加茂茄子、万願寺とうがらし、胡瓜・・・

朝から暑い日でしたが収穫の楽しさ、喜びは格別な気持ですね。
家族で参加している人、夫婦で参加している人、それに単身参加。
お昼には収穫した野菜を焼いて食べました。

収穫した野菜は参加者各自が持ち帰ります。
有機肥料で育てた野菜、それに農薬を散布しませんから、
野菜は自然の恵みを受けて育ったものばかりです。

自分たちで育てた野菜を収穫する喜びの気持。
生産することの喜びの気持。
安心して食べられる気持の充実感。

消費生活者が土になじんで生産活動にはいる入り口として、
京都農塾の取り組みは新しい家族、新しい人を育てていく窓口として、
ささやかながら機能しはじめています。


July 27, 2004
里山の風景



都市生活者である自分が、ちょっと車で走るともう田園風景になります。
専業農家にはならなくっても、兼業農家なら出来なくはない!
これは都市生活者からみた生きることの生活風景です。

都会地と大自然との境界を里山っていったらいいんでしょうか?
山では山菜や木の実を採取して、野でははたけを耕して、
生活費用の大半は会社へいって仕事えんやこ〜らでお金をもらう。

まあ、ええとこ、こんな生活がいっぱいありますね。
この国が過去半世紀に達成してきた繁栄の結果としてのいま、
やっぱりターニング・ポイントですね。

IT産業やロボット産業の技術開発成果が、
第一次産業である食料生産の現場に入り込むこと、
これを全く否定しようとは思いませんですが、
そこに人間不在があるとするなら、これは時代に逆行してますよ。

生活者の意識が農的生活の方へ向いています。
サラリーマン、核家族、団地マンション生活・・・という生活曼荼羅、どうなんですか?
その場所の主人公たちは、もっと明るい場所を求めているんじゃないですか?

そのとき、どうする?
そこに夢のようにたち現れてくるのが、里山の風景・・・・
里山は美しい風景のようにも見えるけど、逃避する場所じゃありません。
生活者の現実風景と夢風景が二重構造になっているように観察します。

ターニングポイント・里山の風景・・・里山は未来へのキーワードですかね〜


July 28, 2004
田圃の風景



お米作りはこの国文化の基底を成す生産作業です。
この田圃は、京都農塾で育てています7月の田圃です。
銘柄はコシヒカリです。

田圃の所在地は、京都・園部です。
お米産地としては市場で有名な米生産地ではありません。

この地域一帯は丹波(たんば)と呼ばれる山あいの土地です。
昼夜の温度差が大きく、るり渓から清流が流れ、ほたるが飛び交う里です。
おいしいお米作りに必要な条件がここにはあります。

里山に田圃があって蛍が飛び交う!
この環境がわたしたちの周辺から消えていくかに見えましたが、
ゆるやかではありますが、取り戻しつつあります。

そこには人間が住んでいます。人間集団があります。
野生の猿、猪とともに山羊が飼われております。
自然と人間生活の共生があらためて育まれています。

田圃にはカエルが棲んでおりますし、稲といっしょに水辺の草も生えてきます。

都会地へ出稼ぎしなくても家族が一緒に住めた時代が遠くなって久しいです。
これからの近未来には、その生活環境を復元していくのが道筋なんでしょうね。


July 30, 2004
畠の風景



野菜作りを体験する京都農塾の畠です。
茄子の苗誘導作業中の写真です。

有機栽培、無農薬栽培。
野菜作りの基本は環境にやさしく人体にもやさしい野菜栽培。

毎日の食卓にあがるお野菜はどうですか?
最近は有機栽培野菜への認知も一般的になってきて、
商品流通システムも出来てきて、スーパーの店頭にも並んでいます。

でも、産地偽装の話なんかがTVニュースに流れると、
どこまで信頼したらええのか、ホント、疑ってしまいます。
なんか、もう、なにを信頼したらいいのか、困ってしまいます。

でも、自分で作るということは、この疑問は起こりません。
正真正銘、自分の手で作るんですから、疑いようがありません!
これ、って大事なことだと思います。

もう、ウソつくことがなんの悪びれもなく横行してる、なんて思うこと。
もう、情けない気持になってしまいますね〜
食の現場だけではないですね。

光も土も水も肥料も苗も・・・全部全部自然体でいきたい!
そう思うところからの始まりです。
ウソ横行の精神性を未来につなげたくないですもんね。