むくむくアーカイブス 最新更新日 2012.3.10

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あい農学校の日録-2-
2004.8.1〜2004.8.26

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August 01, 2004
自然の循環風景



自然環境を保全する、という発想について。
この発想の背景には、自然環境が破壊されている、がありますね。

人間が進化してきたということは、自然を破壊してきた歴史だといわれてますね。
人間が自然の循環から別個に人間社会をつくってきた歴史です。
科学技術の進化のなかで核開発とかプラスチック製品なんて典型かな、と思います。

最近はリサイクル技術も開発されてきていますからリサイクルできる!
とはいっても、自然環境になじまない物質であることは確かですね〜
そんな環境の中にいる人間の生身のからだのことがやっぱり気になります。

毎日の食べものについては、いっそう気になります。
だって、生身のからだを作り育ててくれるものですからね。
いろいろな食品添加物も気になります。

お肉やお野菜を食べることは人間生存の必要条件ですから、
なにも食べないで生きていくことはできませんから、
いっそうその循環自体の現状を知る必要があると思っています。

自然の循環というと、光や水も含め大地のありかたです。
自然循環の構造については科学の立場から論及されていますから、
基本認識はそこで学ぶことにしていきます。

ここでは、その自然の循環のなかで生息する人間の「こころ」のことなんです。
身体と「こころ」が一体のものとしてある人間の「こころ」のことなんです。
これまで科学技術の開発研究が主体でした社会が、
いよいよ「こころ」の開放に向けて考えていく時期がきてるんですね。

そんな「こころ」の開放潮流のなかで、自然の循環をとらえていくこと。
そこへの視線・まなざしが必要なことなんだと思っています。

写真は、畠に追肥を施しているところです。
肥料はヤギの糞を混ぜた有機堆肥です。


August 02, 2004
畠に防鳥ネット



自然の恵みを享受してお野菜を栽培しますが、
野生の動物たちが収穫を狙っています。
そこで畠の周囲には電気柵を張りめぐらせます。
とうもろこし畠に防鳥ネットをかぶせます。

里山の畠へは、食料を求めてイノシシやシカやサルがきます。
空からはカラスがきます。
人間としては、食料を野生動物に盗られないように、策をめぐらします。
これが自然の現場です。

人間が山菜採取から農耕へ移行することで安定、安心を確保したんですが、
野生動物たちは、そのまま採取生活を続けてきているんですね。
ここに、人間文化があるのですが、野生動物には習慣あれども文化はありません。

人間は他の動物たちと切りはなれて、独自の生活圏をつくりました。
里山では、動物たちを捕獲し食料としてきました。
人間と野生動物とは敵対しております。

心情的には、野生に生活する動物たちをも含めて自然環境保護なんです。
でも、作物を作る立場からいうと、彼らを遠ざけなくてはならないんです。
共存共栄=共生ということは、これをどうつじつま合わせるか。

防鳥ネットを張った「とうもろこし畠」を眺めながら、なんとなく矛盾を感じましたね。


August 04, 2004
京都ナチュラル・ファーム-1-



京都ナチュラル・ファームの有機野菜栽培のハウス風景です。

今日は、京都ナチュラル・ファームの紹介をします。

京都ナチュラル・ファームでは、有機肥料による無農薬米(減農薬米もあり)作りをしています。

そこは京都・丹波地方園部町にあります。
山あいの集落であるため、昼夜の温度差が大きく、
また、るり渓から清流が流れる、ほたるの飛び交う里でもあります。
これらの条件は美味しい米作りに大事な条件です。
米どころなどに比べれば収穫量は落ちますが、美味しい米が育ちます。
現在は除草剤を一回使用していますが、できるかぎり、
無農薬で育てられるように努力していきます。
(案内パンフより抜粋)

生産者と消費者が直結する流通方式がだいぶん定着してきた昨今です。
この京都ナチュラル・ファームでは、産直米の購入予約ができます。
そのつど希望の精米度合いに精米して発送してくれます。

減農薬栽培米(除草剤1回使用)と無農薬栽培米があります。
減農薬栽培米が、5Kg3000円+送料
無農薬栽培ヤギ米が、5kg4000円です(年間予約制で送料不要)。
減農薬栽培米は50名限定、無農薬ヤギ米は20名限定です。

無農薬ヤギ米というのは、
京都ナチュラル・ファームでは、ヤギを飼っているんです。
そのヤギの糞で堆肥をつくって肥料にしているんです。

京都ナチュラル・ファームについては、何回かに分けて紹介していきますが、
有機堆肥で良い土作りをしていく、循環型の農場を目指しているんです。

こういうところで作られたお米は、なによりも安心します。


August 05, 2004
京都ナチュラル・ファーム-2-



京都ナチュラル・ファームのコンセプト。

地球温暖化や環境破壊など、
いま、わたしたちをとりまく環境は日々悪化しています。

こんな時代だからこそ、自然に負担をかけずに、
安心して食べられるものを育てたい。
私たちはそう考えています。

京都ナチュラル・ファームでは、畜産部門として
ヤギ牧場を設けています。
ヤギは除草に役立ち、良質なミルクを取ることができます。
それだけでなく、性質も穏やかで、
ひとと一緒に生きていく動物として適しています。

田畑の草を刈り、ヤギに食べさせる。
そしてミルクをもらい、糞から堆肥を作り、
田畑に入れ、作物を育てる。

有機堆肥で良い土作りをし、できる限り農薬や化学肥料を
使わずに持続可能な循環型の農業を目指します。
(案内パンフからの抜粋)

京都ナチュラル・ファームでは、3つの部門で生産活動をしています。
1は、有機肥料による減農薬米作り
2は、有機栽培による野菜作り
3は、ヤギ牧場、です。

有機栽培による野菜作りとして、
有機肥料による良い土作りで、無農薬で野菜を育てています。
旬の野菜を作って、家庭へ届け、楽しんでもらう。
これは、生産と消費が一体になることですね。
特に丹波地方・京都ならではの京野菜の栽培に重点を置いています。

京都ナチュラル・ファームの規模は次のとおり(2004年)です。

田んぼ、3町6反(3600平方米)
はたけ、2町6反(2600平方米)
ヤギ牧場、雌ヤギ17頭、子ヤギ20頭

京都ナチュラル・ファームでは産直野菜配送しています。
取り扱い季節は、6月上旬から3月上旬頃までですが、
3人から4人家族用で10〜13品目程度のパックが3000円(送料別)です。
もちろん有機肥料による無農薬栽培ですよ〜。

今日掲載の写真は、7月中旬の田んぼの光景です。


August 08, 2004
トマトの収穫、農塾にて



真夏はトマトの旬です。
完熟とれたてトマトの味はホント美味しいです。
自分たちの手で育ててきたトマトを収穫して食べるのは一層おいしいです。

京都農塾の作業はたけで栽培したトマトです。
有機肥料のはたけで、無農薬で育てました。
もちろん露地植えで雨ざらしのまんまです〜

この自然のままに育ったトマト、というのがいま求められているんです。
消費者の立場からいうと生産者のお顔がわかる関係ですね。
ここではもう一歩進めて、消費者が生産者になる関係です。

都市が形成されてくることで生産・消費という分化がおこってきました。
いまこの逆流が起こってきているんですね。
アーバン化に対してルーラル化っていっています。

この50年来、国策としてアーバン化政策が進められてきた結果の弊害から、
いま、あらためてルーラル化政策が進められていますね。
そこでなにが必要なのかと問えば、個人の充足感と幸福感だと思っています。

個人の充足感や幸福感を得ていくためには、
生産手段を自分の手に入れること、これが必要だと思っています。
消費者として飼い慣らされてしまった個人が生産することを手に入れること。

自作トマトを収穫しながら、言葉としては、このような思いが満ちていました。
あい農学校のあり方を模索する途上にて・・・・


August 09, 2004
共同収穫の楽しみ!

京都農塾グループは総勢22人、そのうち小学生以下の子が7人います。
家族で参加が4家族、夫婦参加が3組・・・なんです。



中心となる生き方の基本形が変化してきています。
家族のあり方が問い直されてきているように思います。
子供の教育のあり方を考える親が増えてきています。

京都農塾では春に植えつけた野菜の収穫時期です。
共同作業ですから収穫も共同でやります。
これはもう、ちいさいながらも共同体ですね。

写真は収穫したエダマメを整理している様子です。
食べることは、基本的に楽しいものです。
その楽しい食べものをつくる体験が原点です。

ここは、ちいさいながらも自給自足をめざす共同体なんですね。
グローバル化していく世の中が、人と人との関係をいびつにし、
個人に分断されてしまう傾向があるとしたら、
ここでは、人と人との関係を修復し、
個人と個人がつながっていく役割を実験しているんです。

大きな流れのなかでの中心となる関心ごとから、
すこし中心軸をづらして世の中を見つめてみる。
そのなかでの共同作業と共同収穫で楽しみが見いだせるんです。

そこはアンチグローバルですね^o^:


August 12, 2004
自然と人間



あい農学校を主宰しはじめて、具体的には京都農塾を体験しながら、
あらためて「自然」ということを捉えなおしはじめています。

自然とは、地球環境を中心としたとき外に拡がるのは宇宙空間。
内に見えてくることは、気象、海、森林といった環境空間。
そこに生息する動物や植物の生命の営み。

そうしたなかに人間という集団が見えてきます。
なが〜い地球誕生以来の歴史のなかでの人間。
自然の中に住まっていた人間集団があります。

その基本は「食べること」に還元されてきます。
人間のいちばん自然な姿といえば、食べ物を採取したり、育てたり・・・
大地を耕す農業と食べることの関係が基本形。
心と身体の安定は、この「自然ー人間」の関係軸に農業があることです。

自分たちで作って自分たちで食べる。
つまり身近な人間関係のなかでこのサイクルがはぐくまれること。
いま、見直されているのは、この関係なんですね。

身体の問題では、アレルギー体質。
心の問題では、心が閉じてしまう環境。
科学、医学が進歩したとはいうものの対処療法ですね。

人間の尊厳、というイメージをどのように捉えて守るのか。
これも現代の課題だと思います。

それら人間社会が本来のあり方からゆがんでしまったと認定するとき、
その次に見えてくるまっすぐなあり方とはどういうものなのか、
この理想の姿を描き出すことが急務としてあります。

農業体験はさまざまな問題を顕著化してきています。


August 17, 2004
にんじんの収穫



家庭菜園を自給自足の手懸りとして始め出して3年です。
小さな菜園ですがにんじんが出来ました。
肥料は家で出る食べ残しなんかをリサイクラーしたものです。

お野菜をつくる気持ってやりだしたらやめられない気持なんです。
どうも食べることが人間の本質的欲望としてあるからだと思うんです。
この生存する根本に身体がふれているということが安心を作りだす。

これも農業体験です。
農産物を商品化することを目的としているのではないんです。
だから見てくれ悪くて不恰好でもいいんです(笑)

出来てきたものは、にんじんでしかないんですけれど、
種を蒔いてから収穫までの時間の背後にあった気持が大切だな〜
これは育てることで判ってきた気持なんです。

この気持を大切にしていくことで何かが変わっていきます。
自分だけが変わっていっても自己満足でしかないんですが、
権力っていうのを持っていてやたらその権力を振り回しているひとが、
自分で作って自分で食べるってことを体験したらいいのにな〜

きっと勝った負けたの戦いなんてアホらしい〜〜って思うんじゃないかな〜


August 18, 2004
なぜ農学校なんですか?



あい農学校の試みについて記していきます。

ヒト個人にとって食べることは絶対必要な生存の原点です。
また農の営みは、ヒト個人の身体が定着する場所でもあると思っています。

世に農業就労のための技術を教える農学校があります。
都市化が終わる時代の変わり目なんですね、現在っていうのは・・・
そこで都市での過剰労働力を農業に振り向けよう・・・ですね。

でも、あい農学校のコンセプトはそれとは少し違うように思います。
あい農学校では、ヒト個人という立場を明確に打ち出します。
ヒト個人が新たな場所で自立すること、その模索です。

外面的には、自給自足、地産地消、地域共同体というような考え方に合流します。
経済のあり方についての新しい経済のありかたに合流します。
契約経済体制から贈与経済体制への模索をしていきます。

でも肝心なのは「ヒト個人」のあり方なんです。
自立するということは、自分の立場を明確にできることです。
言葉で自分の立場を明確にするだけでなくて、実践を通しての明確化です。

近代から現代という時代区分のなかで、
ヒト個人の内面を疎外してきたんだとすると、
この内面疎外を救出する試みなんだといえるかも知れません。

ヒト個人のあり方を考える枠組みとして、
「文学校」「写真学校」「農学校」の3つの学校を作っています。
ここで学ぶヒト個人が、それぞれに自立する方法をあみ出していく。
その一環としての「農学校」なんです。

生き方のいろいろな契機をはらむ学校にしていきたいと思っているんです。


August 19, 2004
無農薬ほうれん草だけど・・・

体験的野菜作りの話です。
6月15日に種を蒔いたほうれん草の収穫です。
収穫日は8月15日、ちょうど2ヶ月です。



農薬をつかわず手入れもせずにしていたら、
葉っぱを虫が食べていて穴あき状態です。
見た目、硬くて美しくないんですが、
湯通しして食べるとけっこう柔らかくて甘かったですね。

種は種子会社の市販されてる袋を買ったものです。
ところで種の生産地は外国なんですね。
それに気づいて他の種もみてみると、もう全部外国産ですね。

野菜種によっては、国内産の種子も別会社から販売されていますが、
みたところ倍くらいの値段がついていますね。
ちなみに大手会社の種子は¥150〜¥200くらいです。

これでは、なんだかやばいな〜って思いがあるんです。
そんなことにこだわってたら何にもでけへんで〜っていう声もありますが、
やっぱりこだわってしまうんです。

地産地消なんていって、
生産者の名前が記されたお野菜の袋が売られているので、
わざわざ遠方まで足を運んで買い求めたりします。
でも、そのお野菜の種は、その地域で採取した種なんかな〜?

なにか根本的にちょっと変なことになってるんと違うかな〜。
そんな思いがしています。


August 20, 2004
ヤギ牧場/京都ナチュラル・ファーム



循環型の農場を目指している、京都ナチュラル・ファームの話題です。

循環型農業をとらえていくときに畜産部門をどうするかがあります。
京都ナチュラル・ファームでは、畜産部門にヤギ牧場を運営しています。

ヤギは除草に役立ち、良質なミルクを取ることができます。
田畑の草を刈ってヤギに食べさせる。
そしてミルクをいただき、糞から堆肥を作り、田畑に入れ、作物を育てる。

有機肥料で良質の土を作ることが必須となるわけですが、
京都ナチュラル・ファームではこの循環に取り組んでるんですね。

ヤギのミルクは、牛ミルクとはたんぱく質の種類が違うので、
牛乳アレルギーの人でもヤギミルクなら飲めるんですね。
ヤギミルクからチーズを作ったり、ヨーグルトに仕立てたりします。

ヤギさん飼育は、まだまだ牛さんのようにポピュラーではないので、
会員制の「ヤギの会」を作っていて、情報交換をやっています。
年会費2千円です。(詳細は直接お問い合わせください)
またヤギ牧場のスタッフも募集していますから、
酪農に興味ある人は問い合わせられるといいですよ。

明日21日〜22日には林間学校が企画されています。
手作り感あふれるヤギ牧場ですね〜〜

では、またご報告します。


August 23, 2004
京都農塾-野菜収穫報告-

こんなに一杯お野菜を収穫できたんですよ〜^o^:
8月21日の土曜日の出来事なんです。



5月に植えつけた苗なんですが、ちょうど今が旬ですね。
茄子、胡瓜、とうがらし、オクラ、トマト、インゲン・・・
採れたお野菜は分配して持ち帰りということにしています。

無農薬、露地での自然栽培すから、かっこ悪いです(笑)
まあ、商品にはなりませんな〜でも、とっても美味しいんです。
うそじゃないです、美味しいんです。
不恰好で店頭に並べるならほとんど失格品!なんでしょうけどね。

ということは自然のままに育てると商品にならない基準が問題ですね。
なんか変に思うんですね、商品価値っていうことの意味に対してです。
食べるものが仮装して見てくれ優遇っていうのがハリボテなんですね、きっと。
中味のことより外見が大事・・・なんて、
(笑いながら・・・いいます)人間もその位置に置かれてますけれどね。

京都農塾での体験は「ほんまもん」とは何か?
本当は中味ってことを考えさせてくれることですね。

それにしてもこの採れたてお野菜、5家族で分配したんですが、
持ち帰ってご近所にお配りですね、大収穫!なんです。


August 24, 2004
農体験での発見!



農作業をすることは心と身体を一体化させる!!

農業を仕事としている人たちからは叱られそうですが、
栽培した野菜を換金する目的じゃなくて自給とするとき、
汗を流して土を耕し自然の中に身体を置くことで、
もう理論やないですね、そのものズバリ快感です。

私の職歴をいえば知的労働の分野でした。
金融関連の仕事から教育関連の仕事に転移して10年です。
そしていまはフリーター(笑)です。ジャンルでいえば失業者ですね。

食べものを作り出すことって気持の安定につながっていますね。
相手が自然現象ということからは人間の小ささが実感できますね。
なにを威張っておるのか人間よ〜って感覚ですね。

個体のなかに心を閉じ込めておくことが近代・現代の人間観だとすれば、
自己を超えるトランスパーソナルな心の拡がりを感じますね。

光と大地のなかに育まれる野菜や米はもうそのままで自然の恵みです。
人間が科学や経済効果のもとに手を加えて来たことって不自然です。
不自然状態が現代文化の層だとしたらどのようにして自然に戻すのかな。

農体験中で、100%全てが自然というわけじゃないです。
でも化学肥料を使わないとか、農薬を撒かないとか、
なるべく自然体のなかで食べるものを作っていきたいな〜
そうして気持は心と身体の合流ですね。


August 25, 2004
京都農塾のお米つくり

お米つくりの体験中!
たびたび京都農塾の話題を提供していますが、
今日はこの京都農塾でのお米つくりです。



お米の銘柄はコシヒカリです。
5月下旬に田植えをして、8月21日の成長ぶりです。

無農薬栽培に取り組んでいます。
田植え前に除草剤を入れないで育てています。
だいぶん穂先に米粒ができてきました。

田植えのあと6月後半に田んぼの草引きをおこないました。
それ以後はそのまま自然のままにしています。
根元には草がびっしり生えています。

ここは京都府園部市天引という山あいの場所です。
京都市内からは約40KM、いわゆる丹波地方です。
そこに京都ナチュラル・ファームという農業団体があって、
京都農塾を主宰していて今年で開塾2年目です。

循環型の有機肥料による無農薬栽培をおこなっています。
生産者と消費者の関係を見直す機運が盛り上がりつつありますね。
自給自足共同体をめざすことで環境や人間のあり方を考えています。

お米はなんといっても主食です。
その主食となるお米つくり体験は貴重ですね。


August 26, 2004
農作業は触覚体験



知的労働に従事するようになったヒトたちが、
行き場を失って絶望していく光景を夢に見てしまいます。

ヒト個人の形態って身体感覚と知覚が分離してきたように見えますね。
そういう時代だからこそ、農作業=土にまみれるという、
触覚トレーニングをおこなうことが必要なのかも知れないですね。

ヒトがその感覚経験をしていくなかで人格というものが形成され、
知的な何かが育まれてきて、そこに抑圧や苦痛を感じるんだとすればです。
その経験の中に土にまみれる農体験を加えることで、知的変化が生じる。

上記は仮説ですが、知的変化を促すものとして農体験を捉えて、
その変化というものを明確にしていけたらな〜と思うんです。

ここ、あい農学校blogに記事を載せていくことで、
外観や表面を重視してきたこれまでの世界に対して、
ひょっとしたら内面が明るみに出せるかも知れないな〜と思うんです。

写真と文学と農体験、という3つの領域リンクを提唱している由縁です。
体験をイメージ化していく写真、言葉化していく文学、
このトレーニングを積んでいくことで、新しい感覚が醸成されるかも知れない。
新しい感覚とは、かって持っていたヒト個人の感覚の取り戻しかも知れない。

そのような予感のなかで、老いの新しい体験をしていきたいと思っています。