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最新更新日 2015.7.8
革命ノート 2001~
中川繁夫:著


未発表メモ

 1~12 2015.4.20~2015.7.7

     

革命ノート

-1-

 なにやらけったいなカテゴリにしてしまいました。革命ノート、自分でも笑っちゃいますよ、ほんとうです。あの世のことをにたにた、にやにや、たぶん鏡に映る自分の顔って、そうなんだろうなと思いながら、この文章を書いています。
 実は、ぼくの手元に「革命ノート」と書かれた厚さ15㎜、B5の黒表紙ノートがあるんです。2001年6月7日起、と書かれた革命ノート。なにを思ってこんなタイトルをつけたのか、2015年のいまや定かではありません。このフィクションとノンフィクションとも、わけのわからないメモ、文章にまとめる前の草稿、というような感じで文字が書かれたノートを、ここにデジタル化しておこうと思うのです。
 笑っちゃいけませんよ、なんか自分でも笑っちゃいそうな、うふふ、ですけど、恥も外聞もなく、あの世からのメール便ですよ!

2001.6.7
理論は対象を変革する力を持たなければならないーー。

「文化」「文化的」とは何か・・・・。
記憶、習慣の積み重ね、その内部での宗教儀礼・・・・。

<シンプルな生活>
・相手がわかること
・生産者がわかること
・そういったものにとりまかれていること

ざっとこんな書き出しではじまる革命ノート。書きながら読み返してみたいと思う。なによりもこれはぼく自身のための作業です。いつも写真を一枚、つけることにします。

-2-

◎シンプルライフの基本・・・・作った相手がわかるものが自分の道具として使うこと。
 手元にある道具
  お茶わん、テーブル、
 食料品
  野菜・・・・どこのだれがどの畑で作ったの
  魚 ・・・・どの舟が漁にいって売ってくれたのか
  米 ・・・・どこの田んぼで稔ったものか
 衣料品
  せんいはどのようにして作られたか
  だれが・・・・ということ、相手が特定できること
 調度品
  花器・・・・だれがつくったものか
  スタンド・・・・だれがつくったものか
 庭
  だれからもらった種、あるいは株か・・・・

◎共有関係にあること、流通革命
1、自分が制作者であり需要者であることが望ましい・・・・自給自足
2、第二人称の関係のなかで、相手が見えるもの・・・・
3、そういったものに囲まれることが、シンプルなこと・・・・ 

<大きな力>
・宇宙的ーー宇宙の歴史、140億光年
・宗教的ーー宗教の発生以前
 明暗のとらえ方→儀礼→太古の人間と自然
 科学以前
 人間(ひと)も万有の法則の中での身体
 身体の生成過程と消滅過程
 それにこころ(たましい)を知覚すること
大きな力に包まれて・・・・安らぎ、安心感

<音楽>
ベートーベン、ピアノソナタ第29番-3-とシンフォニー第9番
・地の暗(闇)から生じる地鳴り
・天の啓示のような和音のつらなり
シューベルト、ピアノソナタほか、歌曲<冬の旅>
・黎明透明な世界
・耳は聴覚は肉体器官の中で最後まで

<存在の意味>
分析者がつねに分析対象でなければならない
イメージの生成過程
・イメージ生成論は「記憶」の取り扱い方
 記憶の生成のしかたから現象をとらえる
・移動すること(ノマド)流動すること(ドラフト)
ひとの生成過程は、過去は、「かってあったもの」の記憶・・・・
記憶の裂け目から

-3-

<宇宙>

宇宙は神である。
天体の姿は、望遠鏡の発達で姿が見えるようになってきた。
天体の奥行きは140億光年・・・・とか、いろいろ言われているが。
その姿は映像としてとらえられる。
まだ見ぬ深部が解明されていく。
そこは神秘である。
しかし宇宙といったとき、イメージのなかで、
まだ生成せぬ物質の原形が存在しているのではないか、
といった物質的なことではなくて・・・・。
生命が発生する源としての宇宙。
そこに人間の感情を生み出す構造について。
組成されてきた個体の不思議。
なぜ、男と女の二種類なのか。
医学的、化学的、科学的なものとしてではなく。
その生成の不思議さに対して、こころがおののく。
構造として組みあわされる以前、あるいは、その外側・・・・。

宇宙の構造図解。
可視領域と不可視領域の図解。
秩序領域と混沌領域の図解。

-4-

<グローバリぜーションに対するには>

・経済のメカニズムか、それとセットになったナショナリズムしかないのが現状だった。
・倫理的なグローバリゼーションに対する地域的な抵抗運動の可能性があるとすれば、新たなコミュニズムなり、新たな経済システムなり、さらにそれらを連結する文化運動のイメージを考えなければなりません。

・福本和夫「協同組合論」、1950年代の論。
 1955年「戦後日本の農林業問題」まとめ⇒生産者協同組合に着目している

・生産協同組合・・・株式会社とは資本主義内部での資本制の揚棄である←マルクス
 コミュニズムの可能性

・私有制と個体的所有
 私有制⇒国家から与えられた権利・・・税金を払う
 私有財産そのものが国有財産・・・・
 個体的所有は協同的所有の中で可能になる

2001.6・10
IMIの構造分析
・体制内存在としての道筋が確定したのではないか
・組織論として、変革の原点、IMIの原点はどこにある
・人間関係の構造変化
 資本対消費者ではなくて、生産者・消費者としての私(人間)へ
・資本の構造を変えていくには、所有の関係は

<2015年のいま、なんと陳腐なことを模索していたのか、なんて思えてきますが>

-5-

2001.6.10
<自分と他者>
境界線を持たない関係
その間で繰り広げられるコミュニケーションの形
「絶対信頼」というもの「全存在」というもの
宗教の「神」という概念はそのことではないのか

<無限と有限>
神という概念を持ち込むことにより「有限」となる
混沌(カオス)から秩序へ
秩序化された無限
音楽はやはり混沌から秩序へ
音の連なりの秩序
そうした有限の縁からはみ出していくもの
あるいはその外側からやってくるもの・・・・
心かきむしられる(第29番第三楽章)思い
せつなく、しかし、この音は救済である
死へは導かない

・新しい主義とは、国家の解消(解体)、個人の解放
・権力の解体、個人の解放
・資本主義とは、資本家と労働者
・私有ー国家財産
・生産と流通に関する革命
・グローバリぜーション⇒アメリカ化
・集中資本主義、新たなる帝国主義
・文化運動の方へ、人間解放への革命

-6-

2001.6.12
シンプルな生活は革命である
革命を起こすことである
みづから利潤の輪を解体(解消)させること
たったひとりの反乱として、革命に通じる

2004年(あと3年)ぼくの転換点はその時と思っている。
新しい枠組みは、場の設定から起こしていかなければならないだろう。
未来に向かって、何を開くのか。
そして来たり来る未来の生活様式について、経済の、芸術の関係・・・・

今ある関係から新たな関係へ
そのイメージは生産の現場がそばにあること。
生産の現場と生活の現場が直結していること。
食べ物、生活道具、住居・・・・

それに現代科学の先端が交差すること。
利潤を場に還元すること、これNPO組織である。
会社の変わりにNPOの連合体、そして国境の解消
相互扶助の関係、剰余物をもたない・・・・

なんだかかってあった社会主義だなぁ
やはりこれは人間解放、問題はどう人間を解放するのか、である筈。
どのように開放するのか、のイメージが必要である。

-7-

2001.6.13
ベートーベン
ロマンロラン「ベートーベンの生涯」より
・生涯を通じて彼は歓喜を歌おうと望んでいた
・絶えず憂苦に心を嚙まれていたこの不幸な人間は
 またつねに「歓喜」の霊妙さを歌いたいと求めた
(第九)
・この沈黙がひとつの不思議な神々しい性格を与える
・超自然的な静けさをもってひろがりながら、歓喜は空から降りてくる。
 その軽やかな息のそよぎで、歓喜は悩みを愛撫する。
 苦悩から力を恢復して立ち上がる心の中へ喜びがたどり入るときに、
 それが与える第一の感銘は情愛の深さである
・悲哀に抗する戦いである
・宗教的恍惚感がやってくる
・結局ロッシーニとイタリア歌劇の味の方が適していた(通俗)
・屈辱と悲しさと
・まもなくわれわれの待望は充たされるという希望をわれわれにお与えください
・知識についての話でも芸術についての話でも無くして
 まさに信仰についていおうとする言葉なのである

「悩みをつき抜けて歓喜に至れ!」
Durch Leiden Frende
1815年10月19日、エルデーデイ伯夫人に

2001年、今や
静かなる戦争の時代ー!
この世界に革命とはー!
2001.6.13 shigeo nakagawa. kana

-8-

ベートーベン②

●1824年5月7日にウイーンにおいて「荘厳ミサ曲」と「第九交響曲」とが初演された。
多数の聴衆が泣き出していた。
ベートーベンは演奏のあとで、感動のあまり気絶した。
その物質的効果はベートーベンにとってはまるで無かった(儲からなかった)。

●自己自身の運命と悲哀とに打ち克った勝利者であった。
「生活の愚劣な煩事を常におんみの芸術のために犠牲とせよ!神こそ万事に優れる者!」

●すなわち歓喜をついにつかんだー多くの嵐を統御するこの魂の絶頂にー

●それは自己の芸術を通じて「不幸な人類のため」「未来の人類のため」に働き、人類に善行を到し、人類に勇気を鼓舞し、その眠りを揺すり覚まし、その卑法さを鞭打つことの義務である。

●今や悲哀と戯れているかのように見える。
(1826年11月、書かれた弦楽四重奏曲のフィナーレ)は、はなはだ快活なものである。
もはや死の存在を彼は信じない。

●彼が息を引き取ったときは嵐と吹雪の最中であり雷が鳴り渡っていた。
そして彼の瞼を閉じてやったのは行きずりの見知らぬ人の一つの手であった
(1827年3月26日)

写真への手紙54P
●表現行為(体制変革)をあくまで自分自身の問題として捉えること。
このことの繰り返し行為そのものーそこから「見つめる」ことが「見つける」ことにつながっていくのではないか。

-9-

2001.6.14
ベートーベン解説

ロマン・ロランのベートーベン研究の構造

1、自己形成の時期(1800年前後)
2、英雄的精神の時期(エロイカからアパショナータ、1801~1806年)
3、クラシック芸術の充実(第四シンフォニーから第八シンフォニー、1806~1815年)
4、大きな危機(死と再生の時期、1816~1823年)
 「復活の歌」という題で「荘厳ミサ曲」「一連の歌」「編106番」が取り扱われている
5、遺言(第九および最後のいくつかの弦楽四重奏、1823~1827年)

主題(テーマ)のひとつ
・音楽の根元線の問題
・「根元線」とは本質的素描性
・合理主義では突破できない超合理
・感情のみを頼りにしても秘密はつかめない
・感情と情感と追憶と憧憬ー日常生活を養っているこれらの要素。
・それらを超えて魂の基底
・根元線または魂の核心の写真像

意識が二つの階梯をつくっている。
一つは日常生活の花。他は深みの花。
この二階梯の結合の仕方に注目すること・・・・

表面の動き、その動きは、そういう動きを作る出来事や感動と、また、それらの出来事や感動に対するその動きの反作用とで独立したもののように見える。

しかしベートーベンの音楽には「内的実在のリズムを記録しているゆるやかな振子の鼓動がある。

・ベートーベンを心理的に把握しなかったら、人は決してベートーベンを理解しないだろう[ロマン・ロラン)
・音楽形式の合理主義の中だけに閉じてこもるなら、どこまでもベートーベンの音楽の外にいる、という結果にならざるをえない
・精神を照らし、精神を「世紀」の梢から脱出させて高めるような精神の深い響きをめざまさなければ無価値である。
魂の問題・・・・、時代を越える・・・・、人間的形式だから

-10-

2001.6.14
ニュースクール生成

1、コアカリキュラム
 カリキュラム①
  人文/社会科学
 カリキュラム②
  数学/自然科学
2、アカデミックカリキュラム
 思考の道具
 知性の拡張的な活用

プロジェクト学習
 テーマ
・地域通貨 ・法律 ・協同組合 ・環境 ・福祉 ・農業 ・芸術

農業体験
起業プロジェクト
芸術、音楽、演劇
スポーツ

シティカレッジ・ソーシャルセンター

生命線あるいは根元線は・・・・

・アナーキズムの批判として、アナーキズムをおしすすめる
消費者の運動
 非資本主義的な生産ー消費協同組合
 創出<アソシエーショニズム>

・革命はどのようにして創るのか・・・・
  資本主義に替わる、あるいは次に来る世界はどのようなものか
  新しい文明、文化の形を明示せよ

-11-

2001.6.16
・新しい場、21世紀型、自由学校の創出
・ジャーナリスト学校
・採算はどうするか
・地域ネットワークの構築
・ポストキャピタリズムへの道筋づくり
・共同体...経済流通、商品流通
・NPOの可能性
・人間のあり方

・生産物のあり方、所有のしかた、消費のしかた
・IMIの限界について...修正は可能かどうか
 革命の方向を内在化させられるかどうか・・・・
 党派主義になってしまうのではないか・・・・
・体制内革新ではできない、
 そこに体制を突き崩すエネルギーと筋道がなければならない
 現IMIにはそのパワーとはなりえないのではないか

新しい体制・新しい経済の仕組み
 文学、音楽、映像、芸術、の生産・・・・
 食料品生産、衣料品生産、生活品生産の現場をもつ
 生産の過程に生の充実が生じる?

・実践の場を確保すること
・混沌から制度への道筋は...このことの絶えざる繰り返し
 その視点は人間、個人の満足感、安心感・・・・
・共同体なのだろう、共産制というんだろうか
・工業力をどうするか、どう所有するか

キャピタリズムがあってのアンチではなく、
それ自体が全てとなっていくような
共同生産、共同所有と個人主義、個人所有・・・・
ポストキャピタリズムのイメージ創出と技術的ハードルをどう越えるか
◎ポストキャピタリズムの考察から実践へ

-12-

2001.6.17
自由学校の概念図

◎ポストキャピタリズムの考察から実践へ

(研究)
基本セオリー(政・経・文・芸)⇒倫理、科学、芸術
政経分析と実践⇔文系芸術分析と実践
(学校)
ジャーナリスト系、編集系、著述系
歴史、システム論、芸術理論
(工房)
①農業系
 食料生産と加工品、牧畜生産と加工品
②手工業系
 衣料品生産と加工、生活道具生産と加工
③コンピューター系
 知の体系化と流通
(組織)
NPO、共同組合、ネットワーク

◎検証と実践の場から行動の場へ

・構造のパラダイム変換は実践から始まる
・構造(資本主義あるいは近代というフレーム中での流れをのりこえる構造)を
 シームレスに変換していくこと
・生活体系、衣食住と祭礼、による文化創造
・システムの変換ーチェンジリングー

◎地域内にて循環する経済

・ローカルネットワーク
・グローバルネットワーク
・その思想体系として、マルクス・エンゲルスから生産協同組合へ
・国家概念の解体

◎共同体イメージ

・生産/技術と私(魂、内面、精神)の循環
・生命維持と精神安定(トランス化、祝祭の日々)